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2012年4月8日日曜日

【INJ REPORT】アイルランドフェスティバルin髙松を振り返って~アイリッシュネットワークジャパン四国:大盛況となった髙松ファーストパレード奮闘記




日本各地で開催されたセントパトリックスデーパレード。
そのなかでも今年初開催を実現した四国・香川県高松市。

一からのスタートでしたがスタッフ持ち前の実行力で素晴らしいフェスティバルとなりました。

今回はその運営中心人物、アイリッシュパブ「クラック」オーナー小林繁輝氏のリポートをお届けします。

日本各地でも「パレードをしたい!」という声はよく聞かれます。
そんな各都市にとってもこの髙松開催は「模範となるモデルケース」になるのでは
ないでしょうか?

髙松の皆様、お疲れさまでした。そしてありがとう。

髙松ならではのパレードを来年以降も期待しています!
































「四国初!アイルランドフェスティバルの開催にあたって」

                                                       
報告:小林繁輝(INJ四国/アイリッシュパブ「クラック」オーナー)  




まずはこのイベントにご協力頂きました皆様に本当に感謝しております。今回のイベントでみなが仲良く絆を深め、ひとつになり笑顔溢れるアイリッシュイベントにしたいというのが僕の夢であり目標でした。








テーマは「緑色」。アイリッシュの緑が集まって高松の人達にその輪(和)が広がっていく。その思いをイラストレーターのみゆきさんがロゴにしてもらい、みなでTシャツを着たり、商店街の方々にもいろんなところにロゴを使って頂き一体感がでてたいへん盛り上がりました。 
セントパトリックスデーのパレードも初めての開催にもかかわらず200人以上の方々が緑を身につけて参加してくれました。フェイスペイントもかなり盛り上がり、子供達の笑顔、そしてその周りの親たちみんなの笑顔があふれるイベントになりました。本当に嬉しくてイベント中も泣いてしまいそうでした。
また、テレビや新聞にも取り上げられ素晴らしい1年目のフェスティバルになりました。


















僕がここ四国、高松の地に東京から移住して約2年、その当時は「アイルランドってドコ?」「パブって何?」という感じが正直なところでした。
僕がなぜ高松に来たのかというと、以前、東京のパブで働いていましたが、アイルランド各地のパブに行ってみてから、日本にあるパブは本場にあるパブリックハウスとはかなり違うと思うようになりました。現地では地域の大切なコミュニティの場であり、社交の場で、老若男女が集まる場所。でも日本ではどうしてもお酒を飲む場所は大人だけのバーや居酒屋でありローカルパブという文化はぜんぜん違うと思ったのです。現地でいろいろな人達とパブで話しアイルランド人が持っているユーモアや精神が興味深く、僕はアイルランドがますます好きになりました。そんな彼らが愛する本当のローカルパブをぜひ日本でやり、ゆくゆくはセントパトリックスデーをやって楽しみたいと夢みるようになりました。 









そして3月にアイルランドを周遊しましたが、その中でも僕が好きになったゴールウェイという港町と高松が似ている。人も町も似ている。そこに住む人達は本当に地元が好きで、誇りを持って生きていて、最初は少し壁があるが話してみると気さくでとても本当にやさしい。町の地形も商店街からすぐ海が近く、島が見える。高松も小豆島や直島などの島がすぐ近くに見える港町。ここでアイリッシュの文化をきっかけに地元の人達と絆を深められるパブがやりたいと思いアイルランドと言えばやっぱりギネス。その創始者のアーサーギネスの誕生日2010年の9月24日にパブをオープンさせました。そしてパブの名前もアイルランド人がとても大切にしている言葉CRAIC(アイリッシュパブだけにあるとても仲が良いみんなが集まって楽しく過ごす雰囲気)と名付けたのです。 














1年目のセントパトリクックスデーは後に数多くのイベントに協力して頂いたアイリッシュプロミュージシャンのショーン・オコナーのファーストライブをパブでやりました。日頃来られる日本人の方々よりも西日本に住む外国人が多く来られ、盛り上がったイベントになりましたが、もっと地元の人達とも一緒に楽しみたいと思うようにもなっていました。 














そしてその後7月に地元の鉄道会社ことでん(髙松琴平電気鉄道)100周年イベントと合わせて「アイリッシュパブトレイン」という特別貸切列車を走らせてもらいました。そこでもショーンさんのライブを聞きながら走っている電車の中でギネスビールを飲むというイベントを地元の皆様の協力で成功できました。 
















また今回のセントパトリックスパレードでも、子供達にたいへん人気のあることでんマスコットキャラクターの「ことちゃん」がなんと緑の帽子と左胸にシャムロックを付けてパレードに参加してくれました。本当にことでんの真鍋さん、そして皆様に感謝しております。そのイベントでも影で支えて下さった牟禮さんにも本当にお世話になりました。今回共催して頂いた高松丸亀町商店街の皆様をご紹介してくださったのも牟禮さんでした。その時に3月にセントパトッリクスデーパレードを四国で初開催するのが僕の夢だと伝えました。すぐに商店街の方々はぜひ一緒にやりましょうと声をかけて頂き、香川県の中心地、丸亀町商店街でイベントができることになりました。


















































「イベント開催にあたりたいへんだったこと・・」




アイルランド人であるマイケルさんとシェーンさんと昨年の年末くらいから四国INJ(四国アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン)としてアイルランドフェスティバルに向け本格的に始動してきました。3人ともイベントに対しては初心者ですし、マイケルさんの主導により高松アイパルで1月に行った高松アイルランドデーというイベントでアイルランドの文化を少しずつ紹介していきました。この頃から3月に向け少しずつボランティアスタッフを募集していき、最終的には約50名の方々が実際に頼りない僕たちに力を貸して下さいました。  






その後できる限り、3人(マイケルさん、シェーンさんと僕)でミーティングを重ねました。アイディア豊富だが、忙しさもあり形にできないことばかり言うマイケルさんと時には口論したり、僕の英語力も乏しく勘違いで話しが進むことがあったりしました。商店街のルールや、ポスターひとつでも意見が割れたり、より良い方向にするため最後まで僕とマイケルさんは、認めあったり、否定し合ったりしましたが、それをシェーンさんがよくまとめてくれました。本当に感謝の気持ちで一杯です。 

ありがとう。









そしてもう一つ大事な点が、実際に僕が体感したダブリン、東京、横浜でのセントパトリックスデーの経験もよりも役立ったと感じるのは、同じ時期に同じ思いでイベントをしている各地のINJメンバーとの意見交換です。INJの田面さん、岩崎さん、富山さん、そして伊勢の河口さん、には本当にお世話になりました。また僕が松江のイベントに参加してお話できた小泉さんご夫婦との出会いが大きかったです。苦労したことや経験を忙しいのにも関わらず、しっかりと教えてくださいましたし、大切なセントパトリックスのグッズなどもお借りすることができました。本当にありがとうございました。そのおかげでアイルランド人が移民で広がってそれぞれの文化を広げていったように、地方それぞれ独自のアイルランドフェスティバルがあっていいと思ったり四国にしかできないことをやろうと思いました。































「イベントの今後にむけて」



四国、香川県高松での今回のテーマは緑色。1年目はみんなが緑色のものを身につけて楽しむ。2年目は商店街の皆様の個人店にも参加してもらい盛り上げる。3年目からは定番イベントとしてしっかりとした形にする。それが目標でした。
初めての今回でもパレードする商店街のお店ひとつひとつにあいさつして回ったりして、いろいろな人とお話できました。ほとんど全て方々がセントパトリックスデーのことを知りませんでしたが、積極的に協力してくださるショップもありました。たとえばアパレルのショップでは店頭に緑色のものディスプレイしてくださったり、和菓子屋の方はいつもは3色の団子をこの日だけは緑一色して売ってくださったりと本当に有り難く思います。










また今回のイベントでたいへん注目され目玉となった「大島家のみどりうどん」は大好評でした。健康を考えたうどんでわかめを練りこんで塩分をなるべく使わない健康うどんを出して頂きました。また焼き鳥屋のことりやさんには特別にグリーンカレーをだしてもらいました。
パレードでもことでん、商店街の皆様が全面的にご協力して下さり、ポスターを張らせて頂いたり、マスコットキャラクターの子供に大人気のことちゃんが緑を身につけて一緒にパレードしたりと楽しく盛り上げてくれました。また英会話スクールのランゲージハウス、ボーイスカウトのみんなも賛同してくて本当に有り難く思います。なによりライブで盛り上げてくれたミュージシャンの方々にも心から感謝いたします。


















本当に即席で作ったアイリッシュダンスグループのみんなも僕が思っている以上に一人一人が真剣に取り組み努力した結果、僕が一番うるっときて思わず泣きそうになった場面でもありました。
町のいろいろなところにポスターを貼らせて頂いたのも、お店に来られるお客様がそれぞれ声をかけてくださり、知り合いのところ、また知り合いの知り合いのところとドンドン広がり、本当に皆様に感謝しています。ありがとうございました。






















































来年はしっかりとイベントの実行委員会を立ち上げ、もっとスムーズに進むようにしようと思います。僕は実際に日本各地のINJの方々と話したり、会ったりしましたが、皆様、忙しいのにもかかわらず、丁寧にアドバイスを頂き、本当に感謝しています。僕自身も今後、セントパトリックスデーをいろんなところで広めたいと思う方にはぜひ協力したいと思います。この平和なアイリッシュのフェスティバルがさらに広まることを願っています。


«了»















Photo Courtesy:SHIGEKI KOBAYASHI&MASAFUMI MURE