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2014年6月10日火曜日

✰【INJ Essay】✰「What’s the craic? 天気は悪いが今日も元気!わかふぇよしみのゴールウェイ徒然草」Vol 37~ 「今さらジロー♪・・・でなく、ジャイロ!`GIRO` Galway International Retro Orchestra」




「今さらジロー♪・・・でなく、ジャイロ! `GIRO`  Galway International Retro Orchestra




アイルランドでは、大学生たちが長い休みに入り、ジュニアサート(Junior Leaving Certificate)、リービングサート(Leaving Certificate)
と呼ばれる中学・高校の卒業試験もあと1週間くらいで終わり、親も子もほっと一息。
ここしばらく、静かだった街ももうすぐ若い人たちで活気づき、本格的な夏の始まりです!






さて、今日は特別ゲストをお招きしました。
アイリッシュ・フィドラーの梁池真世さんです。
旦那様のアコーディオン担当のアンダースとともにゴールウェイのアイリッシュミュージックシーンには欠かせない人です。
ショップストリートの`Tig Coili` をはじめ`Taaffes``Crane bar` 等ゴールウェイのアイリッシュミュージックで有名なパブで定期的に演奏しています。
その活動とはまた別に最近新しくバンド活動を始めましたのでここにご紹介しますね!

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 皆様こんにちは、はじめまして。梁池真世(やなちまよ)といいます。アイルランドは西の果てのアットホームな町、ゴールウェイからの発信です。はじめましてと言いましたが、正確にははじめましてではないような。もう随分と昔のことのように思えます。私の両親がエスペラントという魅惑の言語を学んでいて、そのヨーロッパ大会が偶然にもゴールウェイで開かれるというので、参加がてら娘夫婦の顔でも見て行くか、とこの地を訪れたのがちょうど二年前の夏のこと。そしてその時の滞在記を、日頃お世話になっているよしみさんがエッセイを書いてらっしゃるブログ“The Irish Today”に載せて頂いたのです。





    あれからニ年も経ってしまったのですね。感慨深いものです。さて、今回なぜまた私がしゃしゃり出てきたかと言いますと、’GIRO’というバンドについて一筆書いてみないかと提案頂いたためです。このバンド、「ジャイロ」と発音致しまして、正式名を’Galway International Retro Orchestra’といいます。オーケストラとは名ばかりでメンバーはたったの4人です。地元バンドを謳っていますがメンバー全員がゴールウェイはおろかアイルランド出自の者ではありません。それでも皆が皆、アイリッシュ音楽を愛し、ゴールウェイという町に第ニの故郷を見出し、根付いてしまったミュージシャンたちなのです。このバンドにユニークな所があるとすれば、曲のレパートリーでしょうか。アイリッシュ音楽はもちろんのこと、バルカン・ルーマニアを起源とするジプシー音楽、クレズマーと呼ばれるユダヤ人音楽、北欧伝統音楽を主体に演奏しています。特に1920年代30年代に焦点を当てていて、ドイツでも近年伝統音楽のリバイバル化が起こっているようですが、活気とシンプルさがうまく混ざり合った古き良き時代のダンス音楽を目指していると言っていいと思います。










    そもそもこのバンド結成に至った経緯ですが、それもいたってシンプルそのものでした。メンバー四人のうち三人が同じ家に住んでいたこと、これはのちに練習スケジュールを組むときに大きな利点となりました。そしてメンバー二人がジプシー音楽やクレズマー音楽が好きで「こんなの弾くバンドやりたいねえ。」と比較的容易に一つの結論に至ったこと。後のメンバーはずるずると引き込まれ、今いる位置におさまったようなものです。この辺でメンバーの紹介をしておきましょう。一人目はデンマーク出身のアンダース・トラビャーグ(Anders Trabjerg)氏。アコーディオン担当。七歳の頃よりコンチネンタルアコーディオンと呼ばれるメロディ部分が五列からなる怪物を操ってきました。大きな体からは想像しがたい繊細な指使いでメロディから伴奏まで幅広くこなします。普段アイリッシュ音楽を弾く時は一列または二列の小さいアコーディオンを扱っています。’GIRO’の発起人の一人。ゴールウェイにはかれこれ18年住んでいて、セッションシーンでは中心的な存在を担っています。二人目はカナダ出身のカイル・ボーリー(Kyle Borley)氏。フルート、ピッコロ、ボーカル担当。幼い頃ラジオでアイリッシュ音楽を聴き虜になりました。七年前にワーキングホリデーを使って初めて渡愛し、それ以来数回に及びゴールウェイに長期滞在しています。フラーキョールと呼ばれるアイリッシュ音楽コンクールのアメリカ地区大会で何度も優勝している実力派。イングランド・スコットランド・アイルランドの歌にも造詣が深く、重低音の効いた歌声は観客を魅了します。現在彼女募集中です。次はニュージーランド出身、ジェフ・ワード(Geoff Ward)氏。サックス・クラリネット・バンジョリン担当。80年代をロンドンで過ごしそのままアイルランドへ流れ着いた、ヒッピーの王様。ジャズからオールドタイム音楽まで何でもこなします。バンジョリンと呼ばれる、バンジョーとマンドリンのあいのこのような楽器を使用しています。見た目はバンジョーが小さくなったものと考えて頂ければ分かり易いのではないでしょうか。即興音楽をやらせたら彼の右に出るものはいません。アイルランド在住歴も一番長く、音楽シーンにも精通しています。
















   最後に日本は東京出身の私、梁池真世(やなち まよ)です。フィドル担当。よくフィドルとバイオリンの違いは何かと訊かれるのですが、楽器としての違いは何もありません。要するにおおざっぱに言ってしまえば、クラシックを弾くかその他の音楽を弾くかで呼び名が変わるだけです。私も小さい頃はバイオリンを弾いていました。しかし進学やら何やらでバイオリンに手をつけなくなって十年が経ってしまいました。そんな時ゴールウェイでアンダースと一緒に弾いていた田村拓志氏というフィドル奏者のレッスンを受けたのが、すべての始まりです。体育会系なレッスンが自分に合ったのと、彼のユニークな人柄に惹かれたのでしょうね。アイリッシュ音楽に猛烈にはまってしまったわけです。そしてその頃ちょうどアイルランドと日本の間にワーキングホリデーができたのを機会に、さっさとアイルランドに渡ったのでした。その後リムリック大学の伝統音楽コースを無事修了し、今では主にパブで弾いています。こうやって一人一人の経歴を見てみると、アイリッシュ音楽色が非常に強く、ジプシーやクレズマーといった音楽との接点が薄いように感じられますが、多くのジャンルをすべて何となくそれらしく弾けるのではなく、基盤となるジャンルが一つ確立しているのが’GIRO’の強みでもあるのではないかと思います。決してジプシー音楽風味のアイリッシュ音楽でも、アイリッシュテイストが入ったクレズマー音楽でもないのです。複数のジャンルをそのままの形で提供するというのが私たちの目的であり、その中にどれだけ’Fun’の要素を入れられるかが課題でもあります。アイリッシュ的に言えば、「Craicがなきゃね!」という感じでしょうか。










とまあ前置きが長くなってしまったのですが、その’GIRO’がこの度、ファーストアルバム’Galway International Retro Orchestra’をリリースしました。さる4月27日にゴールウェイのパブ’Crane Bar’で発売記念コンサートを行いまして、おかげさまで満員御礼にて終了することができました。わざわざ足を運んでくださった方々、この場をお借りして御礼申し上げます。特に告知を怠った私の代わりに皆様に知らせてくださったよしみさん、感謝の言葉もございません。さて肝心のCDですが、CDBabyというサイトから購入できるようになっています。→ http://www.cdbaby.com/cd/giro1 また、バンドのオフィシャルウェブサイト(近々模様替えの予定です。) http://www.girogalway.com/ やフェイスブックページhttps://www.facebook.com/girogalway にもどうぞお気軽に遊びに来て下さい。これからツアーなどの予定もどんどん立てていくつもりですので、イベントやフェスの主催者の方々はもし「GIRO呼んでみるか。」と思われた際には girogalway@gmail.com までご連絡下さいませ。

なんだか慌ただしい締めくくりとなってしまいましたが、ゴールウェイ在住者としては今年も昨年に続き夏らしい夏を迎えられるように必死で祈っております。皆様もお体に気をつけて、爽やかな初夏を満喫して下さいませ。長文・乱文にも関わらず最後まで読んで頂いてありがとうございました。それではまたいつの日か!













Hello, my name is Mayo Yanachi. Yes, I know it is like the county and believe me I get that a lot!  Anyway, I would like to introduce our band today. We are called GIRO, the Galway International Retro Orchestra.  And it was formed in Galway City in the West of Ireland in late 2011.  Galway City has a thriving music scene, and is particularly well known for the abundance of traditional Irish music.  The member of GIRO all came to the city largely for its music, and had known each other for years through the Irish music session that abound.



The concept of a band playing traditional music from across Europe in the styles of the early 20th century had been an idea in the minds of founding members Anders Trabjerg and Kyle Borley for some time, after discovering that they shared an interest in Klezmer and Romanian music.  Anders, himself an accomplished five row accordion player, has also long been learning and performing one and two row accordion repertoire from Irish American recordings of the early 20th century.  Kyle, a flute player, had recently begun playing Irish music on piccolo, an instrument more common in the musical traditional of eighty years ago.  Mayo Yanachi, is a classically trained violinist in addition to being a great exponent of Irish style fiddling, and so was recruited for the band.  The final member, Geoff Ward, is well known in Galway as a saxophone and clarinet player, who also plays in a unique style on the banjolin.  With the lineup complete, GIRO was underway!



Work on their self titled album began in 2013, and is an entirely self produced work, from the arrangements of the pieces to the recording, mixing and editing, to the CD cover and sleeve artwork.  With its members having years of performance experience, we launched our album at the Crane Bar in April 2014.  The new album is available from CDBaby website http://www.cdbaby.com/cd/giro1 and if you are interested in the band you can visit our official website http://www.girogalway.com/ or facebook page https://www.facebook.com/girogalway.  We are currently booking our 2014/15 winter and spring schedule. We will go anywhere!  Please don’t hesitate to contact us girogalway@gmail.com.  Hope to see you all very soon!

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GIRO」のCDラウンチはCrane Barで行われパブ内に入れないくらい満員御礼、大盛り上がりでした。
アイリッシュっぽい音もあったり、ジプシーっぽい音もあり、軽快でかつ色艶のある音楽です。
バンドの編成が全員外国人で、曲を聞きに来ていたお客さんも地元の人、ツーリスト、アイリッシュ、外国人、老若男女、ヒッピー(芸術家っぽい人たち)とそれぞれで、
音楽も雰囲気も絶妙にマッチしていて「これぞゴールウェイ~♪」なんて思いながら楽しく聴かせてもらいました。

是非、リンクから「GIRO」の音楽を聞いてみてください!
また日本出張も可能とのことですので、是非お声掛けくださいね!


さぁ、今日も元気にまいりましょう♪



Photo Courtesy:YOSHIMI HAYAKAWA

(アイルランド共和国現地 6/8ゴールウェイ電)