NHKで放送された「地球イチバン~世界一の星空がくれたもの」は記憶に新しい。
あの、テレビに出てきたケリーの星空を、この目にしっかりと焼きつけてきた。
今一度、確認すると、国際ダークスカイ協会では、アイルランドの南西部、ケリー県(アイルランドの“County”を県と訳すか州と訳すか言葉の恣意性によるところが大きいが駐日アイルランド大使館にて県と表記していることに従い準じ、当ブログでは県に統一表記しています)(County Kerry) のアイベラ半島(Iveragh Peninsula) 周辺(約700km2) を、ダークスカイ保護区に認定している。アイルランドで初めてのダークスカイプレイスであり、北半球で初めて、最高ランクの夜空を表すGold Tier が与えらている。
ケリーダークスカイの存在する所在位置は、アイベラ半島のなかでも、より大西洋に近い地域である。リング・オブ・ケリーはこのエリアを通るが、多くのツーリストはキラーニーに始まり周遊バスで、ぐるっとリングオブケリーを走り、“通過”し、またキラーニーへ戻ったり、近隣のディングル半島や、ケリーの中心ケンメアに行ってしまうのが残念ながらの実情だ。
また近年スターウォ―ズの映画撮影で世界的話題になっっているスケリッグ・マイケルもこのケリーダークスカイの範疇になるが、原則無人島であるのでここでの観測は不可能である。
また近年スターウォ―ズの映画撮影で世界的話題になっっているスケリッグ・マイケルもこのケリーダークスカイの範疇になるが、原則無人島であるのでここでの観測は不可能である。
The Kerry Dark-Sky Reserve include only the following areas: Kells, Cahersiveen, Valentia Island, Portmagee, The Glen, Ballinskelligs, Dromid, Waterville and Caherdaniel.
つまり、ケリー観光のメインはリング・オブ・ケリーを昼行移動する形態が主流で、ケリーダークスカイエリアには宿泊せず、昼間に通過してしまう、ということなのだ。
このことは、このケリーの世界最高ランクの星空を体験せずにツーリストは去ってしまう、ということを意味する。
ケリーダークスカイのボスでもあるジュリー・オーモンドさんも、地域の活性化にと、日頃奮闘しているが、彼らの目指すところのハードルは高い。
「明かりを消すことは地域の活性化にもなる」と熱弁をふるっていたジュリーさんの姿も記憶に新しいところだが、ケリーダークスカイはまさに都会の生活に辟易したホリデーメーカーにとっては打ってつけの“今訪ねるべき場所”ではなかろうか?
漆黒の闇へのリスペクト、自然環境への畏敬の念、地元地域を愛する心、どれもがケリーダークスカイのメンバーすべての人々が大切にしているところだ。
実際この地域を歩けば、アイルランドの原風景がありのままに残っており、もっと言えば大飢饉で壊滅した村の集落のあとまでそのまま残っている。
しかしなによりも、これだけは言わせていただきたい。
多くの写真、多くのガイドブック、多くのメディア、ありとあらゆる方策により眺めるケリーの星空より、実際に、この地を訪ね、この地で宿をとり、自分の目で、自分の五感で、この「ケリーの星空」を眺めることが、アイルランド最高の夜であり、最高の体験である、ということを。
昨年に続き、ケリーを訪問。
ダークスカイのメンバーの皆様のエスコートにより素晴らしい体験ができたことに感謝したい。
ブログにはテレビで出てきた懐かしい顔も出てくるが、一番の願いは彼らの活動に理解を示し、できることからという気持ちで、この遠い日本から彼らを応援してあげてほしい、ということだ。
ケリー・ダーク・スカイ・アゲイン。
Kerry Dark Skies
Julie Ormonde
Photo Special Thanks
Kerry Dark Skies
Michael Sheehan
Fáilte Ireland/Valerie O'Sullivan
Photo Special Thanks
Kerry Dark Skies
Michael Sheehan
Fáilte Ireland/Valerie O'Sullivan
ジュリーさんが進めているアイルランド初の天文学書出版にむけてのクラウドファンディングにご協力ください。