久しぶりの更新です。
暑い暑い毎日
世間様は夏休みで小休止・・・
こんな時こそ、アイルランドを「読んで」旅をしませんか?
筆者おすすめ「アイルランド本」
アイスコ-ヒ-片手に「読書」といきましょう
Recommend
「English in Ireland」
著者・訳者 シマダ タマミ
渓水社
今なお留学先として人気が高いアイルランド
アイルランド英語の文法構造をわかりやすく書いています。
ベ-シックな英語力のイントロとして
最適な1冊です。
Recommend
「トーマスクック・ヨーロッパ鉄道時刻表 ’10夏・秋号」
Thomas Cook Group Ltd./原著
ダイヤモンド・ビッグ社
全ヨ-ロッパを網羅する鉄道時刻表・・・
日本の時刻表とはまた趣が違って非常に読んでいるだけで楽しくなります。
客車の優等列車などクセモノが多数!
後ろ3両はプラハまで中2両はウイ-ンどまり前6両はモスクワまで・・とか
アイルランドのインタ-シティ-や
フェリ-接続の英国など
オリジナルの旅のプランをつくるとき大変重宝致します。
国によって非常に個性があり
ダイヤグラムからその国の状況を推測することも可能です。
旅好きの方は是非1冊いかがでしょうか?
Recommend
「アイルランドを知れば日本がわかる」
林景一
角川書店
昨年6月に出版され後に日本経済新聞に論評掲載されたのですが
そのときにはすでに3回読んでいました。
元大使の著作ですが
私が関心をもったところは
「在アイルランド日本大使がどういう視点でこの国家をとらえていたのか」
「文面からどのような役割・ミッション・能力が大使にはあるのか察知する」
「大使の情報量とはどのようなレベルか」
という点です。
筆者はアイルランドの歴史的事実を体系的にとらえていて
ユ-モアを混ぜながら、興味深く記述しているところに
大変好感・感服した1冊となりました。
私は、かつて大学受験時代に
代々木ゼミナ-ルの「武井の体系的世界史」に
酔狂したこともあり、この学習方法を
アイルランドの歴史に応用すれば
非常にアイルランドが「わかりやすく」理解できると考えていました。
その意味でこの書籍は結構「武井世界史」を応用した感じの構成で
非常に読み応えがありました。
雑ネタも多数あり、良書と言えると思います。
Recommend
「北アイルランド現代史 紛争から和平へ」
ポール・アーサー/キース・ジェフェリー
彩流社
アイルランド紛争に関しては様々な書籍が出版されていますが
この本は一番ディ-プな記述をしているところを評価しています。
特にプロテスタントとカソリックがなぜそうも血なまぐさい争い・憎しみを
長年にわたりもち続けるのか?
その人間としての根源的な箇所を鋭くとらえていると感じました。
彩流社はアイルランド関連の書籍を結構出版してるところで
いつも何気にチェックはしていますが、歴史考証には
最適の1冊だと思います。
カソリック側とプロテスタント側の両者共著という点も
読む側にとってそれぞれの視点を理解するという点で
評価できる書籍でしょう。
Recommend
「アイルランド アイルランド英語」
旅の指さし会話帳 51
中園隆志
情報センター出版局
「アイルランド行きたいけど言葉がわからない!」という人向けに
最適の一冊だと思います。
マンガチックに描写していますが
ホテルで、病院で、駅で・・・などなど
シチュエ-ションごとにうまく表現できていて
海外初心者の方にはうってつけです。
このシリ-ズで韓国やポルトガルを克服したのは私です(#^.^#)
Recommend
「アイルランド民話紀行 語り継がれる妖精たち」
松島まり乃
集英社
エンヤのインタビュ-などはさみ
アイルランドの神秘とされる「妖精」の姿、
また国民にとってのケルトを描いています。
インタビュ-取材もふんだんに使用し
読みやすく、夏の旅鞄に最適な1冊です。
Recommend
「Guinnessアイルランドが産んだ黒いビール」
こゆるぎ次郎
小学館
ギネス好きは絶対読むべきでしょう。
ギネスの全てがこれでわかるかと・・・
アイリッシュネットワ-クジャパンのコラムにもありますが
アーサー・ギネスはイギリス支配下のアイルランドで、ギネスを世界的なビールに登り詰めさせた「したたかさ」があったわけで・・・・、その企業力は感服します。
広報活動なども創世時代から最重要視しており
いわゆる「ブランディング」という手法の祖でもあるのでは、ギネスは・・・
ギネスを学べば、企業力をつけるという点で
大いに勉強になるファクタ-が多いと思えるのです。
、
Recommend
「アイルランドからアメリカへ 700万アイルランド人移民の物語」
著:カービー・ミラー 著:ポール・ワグナー 訳:茂木健
東京創元社
アメリカに移住したアイルランド人は700万人になると言われています。
『アメリカ新世界への移民の歴史的記録は17世紀に始まる。5万人から10万人
のあいだの人々がアイルランドをあとにしたが、その大部分は年期奉
公人として移住した人々たちだった。残りはアイルランド人反逆者や凶
悪人、つまり囚人である。』
『1845年から50年にかけてのアイルランド大飢饉に先だつ半世紀のあ
いだに百万人ほどのアイルランド人が北アメリカに渡り、その約半数が
カトリックだった。大飢饉の時期から現在に至るまでに、さらに550万人
もの移民が合衆国へやって来ており、その大部分はカトリックだ。』
アイルランドで使われていた「ランパー種」というジャガイモは特に疫病に犯されやすいタイプでした。天候不順による強い風が胞子を各地の畑に飛散させた結果、瞬く間にアイルランド全土に広がってしまったのです。農民達が不作だったので食べるものがなくなり、保存しなければいけない種イモまで食べてしまいます。その為に翌年には作付け面積が減った上に、前年からの天候不順が続き、さらに不作が続いたのです。そんな状態が1848年まで続くのです。
世紀の大飢饉・・・・
アイルランドから米国にほうほうのていでたどり着いた船には
疫病にやられ無数の死体だけ積んだ船が到着したといいます。
そこでアメリカではアイルランドからやってくる移民船のことを
「棺桶船」と言って恐れたと言います。
アイルランド史上最大の皮肉の一つが、合衆国へ渡ったアイルランド
人移民の中で、短期の里帰りであれ、永住目的であれ、自らが生ま
れた土地へ帰った人がほとんどいないという事実です。
アメリカへ渡ったイタリア人移民のうち、永住するため母国へと帰った
人は40パーセントでした。ポーランド人とハンガリー人では50パーセ
ントを超える人々が帰っていきました。ギリシャ人移民では、生まれた国へ
と帰った人の割合は60パーセント以上に達しました。しかし、新世界へ渡っ
たアイルランド人移民のうち、一度でも「母なるアイルランド」へ帰った
人は10パーセントを下回っているのです。
1841年から1926年のあいだに、アイルランドの人口は850万人から
425万人へと半減しています。
アイルランド大飢饉の原因は「ジャガイモ疫病」です。アメリカ起源のこの病気は
1845年7月にはベルギーで報告され、8月にはパリやドイツ西部のラ
インハルトの畑にも広がり、同月末にはアイルランドに上陸します。
この1冊は当時の状況を生々しく描写しています。
アメリカに6000万人以上もいるとされるアイリッシュ・・・
それはこの苦難の歴史から始まっているのです・・・・
Recommend
「鋼鉄のシャッター 北アイルランド紛争とエンカウンター・グループ」
パトリック・ライス , 畠瀬 稔 , 東口 千津子
星雲社
カール・ロジャーズと言えば、集まった人たちが、「今、ここ」でのことを語り合う、エンカウンター・グループで有名です。ロジャーズらは、1972年に北アイルランド紛争に取り組み、現地の人たち9名を集めてエンカウンター・グループを行い、それを撮影して「鋼鉄のシャッター」と名付けられた短い映画を制作しました。これは、本来、とても個人的なことを扱うセラピーによって、社会を変えようとした試みとして特筆に値するのかもしれません。
このプロジェクトの中心的な役割を果たした元イエズス会神父のパトリック・ライスは、この試みを博士論文の一部としてまとめ。それを訳したのが、本書になります。
この本からは、当時の北アイルランドにおけるカトリックとプロテスタント、そして英国軍との間の、殺伐とした様子が強く伝わってきます。既にそれぞれで多くの人間が傷ついており、「相手がやめるまでは、自分もやめない」と、その遺恨は消しがたい。それで、このこじれを、エンカウンター・グループを行って、対話を通して相手に対する理解を深めて、解決に導こうというのですが・・・・
Recommend
「おかえりIreland」
えすかるご
星雲社
アイルランドの風景写真に詩や聖書の言葉を添えたポストカードサイズの本。
緑の草原が 街のざわめきが あなたをやさしく誘います。
切り離してカードとしての使用も可能です。
プレゼントにも最適かと。
Recommend
「フットボールの犬 欧羅巴1999ー2009」
宇都宮徹壱
東邦出版
(第20回ミズノスポーツライター賞受賞作)
写真家でありライターである著者が、
10年にわたるヨーロッパサッカー遍歴の旅を記録した渾身の一作です。
イギリスやイタリア等の本場はもちろん、フェロー諸島等の辺境地にまで赴き、
現地のサッカー事情やそれをとりまく環境を活写します。
現地の熱気を伝えるカラー写真も満載。
アイルランドの取材が秀逸。
なぜ、アイルランドには、フットボール協会が
ふたつあるのか(IFA=ベルファストのフットボール協会、
そしてFAI=在ダブリンのフットボール協会)。
なぜ、それぞれの協会は、独自の代表チームのリーグを持っているのか。
なぜ北アイルランド(IFA)だけが、イングランド、スコットランド、ウエールズト同じ、
栄えある英国4協会の一員なのか・・・・。
さらに、アイルランドには、もっと不可解なことが。
アイルランドは、1922年、英国から独立。
しかし、北東部アルスター9州のうち6州は、連邦への残留を決めます。
アルスターには英国からの入植者が多く、プロテスタントが多数派を占めます。
宗教が、「ふたつのアイルランド」を生み出した。
私がアイルランドに惹かれていたのは、結局のところ、
ひとつの島に、ふたつの協会、ふたつの代表チーム、
そしてふたつのリーグが存在する不思議さに尽きるのです。
北アイルランド・アルスター6州の中の街「デリー」には、
本来所属すべき北アイルランドリーグではなく、
なぜか隣国アイルランドリーグに「越境」して活動を続けているチームがあります。
地元クラブのデリー・シティFC。
そう、「越境」には理由があるのです。
デリー・シティは1928年に設立し、翌年に北アイルランド1部リーグに加入。
以後リーグ優勝、カップ優勝も果たす中堅チームとなりました。
しかし、カソリック系住民とプロテスタント系住民との抗争が激化、
ついに72年、カソリック系のデモ隊に英国軍が発砲し、14人の犠牲者を出した
「血の日曜日事件」が勃発。
この事件を受けて、北アイルランドのクラブが、
デリーでのゲームを一斉に拒否し、デリー・シティは孤立し、
72年、活動停止に追い詰められるのです。
それから13年、散り散りになった元プレイヤーたちが立ち上がり、
デリー・シティは復活。
北アイルランドではなく、アイルランドリーグの一員として復活するのです。
まあ読んで下さい。最高の一作です。
あなただけの一冊を・・・・
番外
Smiling Irish Eyes: Art Rooney And The Pittsburgh Steelers
アイリッシュ移民のアートルーニーの自伝
NFL ピッツバ-グスティ-ラ-ズを築いた一世一代豪快列伝
・・・・強烈な人物で大好きで・・・・・
これが私の「一冊」です・・・・