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2015年2月6日金曜日

【The Irish Today Diary】 「Tecimericoのアイルランド〜バンド生活」最終回~「アイルランドの音楽事情」〜






アイルランドでご活躍されている「テシメルコ」のこゆきさん。
活動の場を、アイルランドから隣国の英国に移すことになりました。
ということで、今回が最終回。
勿論ちょくちょくアイルランドへまた来てくれるでしょう、そして今後も彼女の活動は彼女のブログでも拝見することができます。

困難にぶつかりながらも前へ、前へと進む若者らしい行動力は実に爽快でした。
こゆきさん、ありがとうございます。
そしてまたアイルランドに「スロンチャ」しに来てくださいね。














「アイルランドの音楽事情」

アイルランドも残り1ヶ月をきりました。
この7ヶ月素敵な出会いがあり、いろいろな経験させてもらって、貴重な時間を過ごすことができました。

今日は音楽事情について書きたいと思います。
もし海外でライブをやりたいバンドマンの方がいたら、すこしでもお役にたてればと思います。

どうしても海外でライブをする夢を捨てきれず、思い切ってわずかなお金を持ってアイルランドへ飛んできました。

ダブリンに来ての生活に少し慣れて来た頃、、とりあえずウェブでライブハウスを調べました。パブではなくライブハウスでやりたいと思って探してましたが、ダブリンはライブハウスが少ない、、、パブの方が圧倒的に多いです。あってもパブにライブハウスが併設されてるといった感じだと思います。あとは楽器屋さんにいっておすすめのライブハウスを聞いたりして最初は情報を集めました、そこで音源も渡して宣伝宣伝!

アイルランドは小さい国ですが、それでもKOKIAとか少年ナイフとか松田聖子!?もダブリンでライブをしているそうです。去年フジロックにでたストライプスもアイルランドの少年バンド。大御所だとU2、エンヤ、ケルティックウーマンあたりでしょうか。よく間違いがちだけど、ビョークやシガーロスはアイスランドです!!トラディッショナルな音楽も健在でパブではロックバンドマンが演奏するよりそっちの方が雰囲気がよかったりもします。






こちらに来て初めてライブをやったのがGRAND SOCIALというかわいいライブハウス。楽器屋さんがここを紹介してくれました。
ライブが決まってから必要最低限の機材をそろえました。なぜってこっちはライブハウスに楽器が置いてないのが普通なのです!PAセットとよくてバスドラとタム。でもキックはない。。日本から全部楽器を持ってくるわけにはいかなかったので、キーボードとスネアドラム1つをもってきました。あとちっちゃい直径10センチくらいのミニシンバル。

こちらではリハーサルがありません。
ライブの直前にちょこっと音出しをするくらい。
ライブの1時間前くらいにきて、と言われたけど最初のライブはいろいろ不安だったので3時間くらい前に到着。
でもブッキングエージェントにまだ早いからあとで来て、、と言われて結局1時間前に行きました。最初ドラムにシンバルがセッティングされてなかったときはほんとに焦った!

普通はドラムがシンバルを持参するんだって。理由は高いから。
初めてのライブでヘッドフォンアンプを壊してしまった時も焦りました。。
(私たちはiPhoneからオケを流しながら演奏してるのですが、左からクリック、右からオケが流れていて、ヘッドフォンアンプがないとクリックが聞けなくてオケとずれてしまうので超重要!!)
日本の電圧は100Vでアイルランドは220Vです。
日本から持って来たヘッドフォンアンプを変圧器を通さないで差してしまい、壊れてしまいました。。

ステージの上でまさかのライブリタイアの言葉がよぎりました。
とりあえずPAさんに事情を説明してミニミキサーがないかとか、代わりのヘッドフォンアンプがないか、とか聞いて、ドラムのモニターのみクリックを流してもらうことになり、なんとかライブを続行可能!!
前の方の人はクリック音聞こえちゃってたよね、、すみませんでした〜´д` ;

色々ありましたが、皆様に温かく見守っていただいたおかげで無事終えることができました。ありがとうございました。






















今ではSweeney’sSin É というパブ兼ライブハウスのopen micに毎週出ています。
あと数回で終わりと思うと寂しい!やっと仲良くなってきたアイリッシュのアーティストたちともお別れ。。また来ます!!

さて、話は戻り、、Open micにでて、ブッキングエージェントにもう少し大きいステージでやってみる?と声をかけられたらラッキーです。毎回Open micに行って顔を覚えてもらってフェスやイベントを紹介してもらえたり、、やっぱり日本からただメール送ってるだけじゃダメですね。反応もダイレクトで、感情表現めっちゃ豊かなのでわかりやすいです!その反応をみたブッキングエージェントが声をかけるんだろうな。

あとはライブハウスにいるといろいろな人と知り合えるのがいいですよね。バンドマンはもちろん、お客さんできてた韓国人のレコーディングエンジニア、ブラジル人のポストロックやりたいというギタリスト、、エトセトラ。。イギリス人、リトアニア人、スペイン人、カナダ人、アメリカ人、ポーランド人、、エトセトラ。あげればキリがないほど国際色豊か!!

あとはストリートライブ(バスキング)もやってみました。
日本から小さいアンプを持って来ようと思ったけど、重くて結局もってこなかったので、こちらでストリート用の充電式のアンプを購入。
230€でした。ちょっと痛い出費。あと20ユーロでマイクスタンドも購入。
アンプを買うまでに、うちのバンドは電力を使う機材が多いので、どうやってやるのが一番いいかと考えた結果、、パソコンに入ってるロジックの音を使って、小さい電力のいらないMIDIキーボードをつなげて、2オクターブしかないけど、弾くポジションをかえたりして、なんとかクリア。

あともうひとつの難関はクリックを聞くためのヘッドフォンアンプにも電気が必要で、これはもう仕方ないので、クリックを聞かないでやるか、クリックを流したままやるか。。結局クリックを流したままやって、ヘッドフォンアンプを使わない方法でクリア。本当はアコースティックバーションにして、オケを使わないでできたら一番いいんですけどね、、
お客さんに聞いたら意外とクリックの音は聞こえてないみたい。

でもなんとかしないといけない課題です。。

日本じゃ考えられないけど、最初のバスキングは、25€。3000円くらいです。CDも売れます!多いときは2時間くらいで50ユーロ以上稼げます。日本円で7000円超?普通に仕事するよりいいじゃん!!ライブハウスやパブではCDが売れないのに、音響が悪くても路上の方が稼げるのですね。






ダブリンは、小さい街で、ストリートをやる場所も限られているので場所はだいたい目星がついていました。
お店の人にちょっとうるさいから別の場所でやってね、、と言われる事もしばしば。

5、6回場所を変えなくちゃいけないこともありました。でも、皆申し訳なさそうに注意してくれます。芸術家たちを応援してくれる国なんだなぁと感じました。
でも本当はバスキングするには申請が必要だっていう話も、、警察は注意してきません。むしろ笑顔でグッドラックのポーズ!つい最近では、バスキングが禁止になるかもしれないという噂がFacebook上で話題になっています。バスキングが禁止になるかもしれないという噂がFacebook上で話題になっています。にしても、日本よりかは全然やりやすいですけどね。日本でストリートやったら警察か怖い人が来ちゃいますからね。

バスキングをしている日本人の友達はストリートで稼いだお金だけで、生活費をまかなっている人もいます。日本じゃ考えられないですね、、
イギリスではあまりバスキングしてる人を見なかったっていう話も聞いたので、そういう意味では、アイルランドに最初にきて良かったのかも、、って思えるようになりました。

でも、ストリートやるには気合いが必要だし、天気がいい日じゃないと駄目なので、収入の安定を考えると難しいです。
自分たちの音楽を広めるには最高です。

去年の終わりにアンプの充電ができなくなってしまあた、アンプを買った楽器屋さんに修理に出していたのですが、なかなかメーカーから返ってこなくて何度もお店に顔を出していたら、あげるよって新しいのくれました!ラッキー!ほんとにこっちの人ってバス代も50セント足りなかったら別にいいよって言って乗せてくれたり、自分の都合でお店閉まるし、家賃すぐ変動するし、適当なところが多いです、いい意味でも悪い意味でも。

あと、場所にもよるけど、ミュージシャンはお酒がただで飲めるところが多い!
日本はお金を払ってライブに出るところが多いけど、まずこっちではそういうことはないです。(オーディション受けるのにお金を払うことはしばしばあるけど。。) 金曜日に演奏したりするとお金くれたりします。
ミュージシャンにとっては嬉しいことですね。












個人的に大変だったことは、英語。イベントをネットで調べるのにもオーディション探すのにも英語の長文を読まなくちゃいけなかったりで、最初は1ページ目を理解するのに何時間もかかったりして本当にきつかったです。人と話すのも、聞き取れなくて、せっかくよかったよって言ってくれたのにセンキューしか言えなかったり、なんていってるか理解できなくて仲良くなれなかったり、、
なのでこっちにきて語学学校に行ったのは良かったと思います。おかげでやっと英語にも慣れてきました。

得たものはちょっとのアクシデントでも動じなくなったところかな。ドラムのそうくんはスネア一つで演奏できるようになったし、なんか道で拾った金属片を叩いて代用してるし、私は2オクターブの鍵盤で演奏できるようになったし。キーボードスタンドとスネアスタンドは椅子で代用だし、リハなんてしないし。





そんなわけでこれからロンドンに活動拠点を移しますが、アイルランドで得た貴重な経験は宝物となりました。またいつかアイリッシュのみんなに会いに、ビールを飲みに来たいです。
これからどうなるかわかりませんが、やりきってまいります!!

とりあえず今年夏に出演が決まったフェスです。





Sunflowerfes

2015 31st July - 2nd August
Location: Tubby’s Farm Rd, Hillsborough, BT26 6NB


長くなりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました!
ばい!

2015年2月5日



こゆき
@Dublin,Ireland








 

  
Tecimerico was formed in Tokyo in 2009.
The band consists of;

Koyuki Yamato (Vocals & keyboard)
So Kashima (Drums)
Takumu Suka (Sax, flute & guitar)
Yuriko Tachibana (French horn)

We've been playing gigs three times a month on average,
and now we're playing more and more frequently. Our sound combines a cinematic atmosphere with a catchy pop feel, and includes elements of postclassical and electronica. Using a unique combination of modern and classical instruments to express our particular view of the world, we put everything we have into our performance for you!

【Career】

2010 onwards
7 performances at Design Festa, the largest art event in Asia, held biannually in Tokyo.

2012
4th place in Studio NODE's song competition.
Released 1st album "Landscape" on CD, iTunes and Amazon.
Album art by Rikako Yamakawa.

2013
Radio broadcast in New York.
2nd place in the "LIVE IN WORLD" competition in Yamagata.
Featured in art magazine "MeguRu".
Released 1st music video on YouTube.
French website 'kochipan' post an interview with us.

2014
Featured in music magazin "Chikashitsu-no-Kaibutsu2"
2nd place in the "Battle de egg" competition in Kobe.
An activity place is moved to Europe. 



Tecimerico

2009年結成、東京を中心に活動中。ジャンルはクラシカルポストロック。クラシックの楽器を使ってロックを表現している。
LIVEでは演奏に映像作品を投影し、まるで映画を見ているような、大自然の中で音楽を聞いているような、見ている者を知らぬ間にその独自の世界の中へ惹きこんでいく。









こゆきさんが住んだ街、アイルランド首都ダブリン〜