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2011年11月20日日曜日

☆【INJ Essay】☆「What’s the craic? 天気は悪いが今日も元気!わかふぇよしみのゴールウェイ徒然草」Vol 10~「今こそ日本の国力を見せるぞ!Japanese Film Festival in Ireland開催!」☆



「今こそ日本の国力を見せるぞ!

Japanese Film Festival in Ireland開催!」

1119日(土曜)20日(日曜)とゴールウェイでは第三回目になる日本映画祭が行われてます。
これは在アイルランド日本大使館、映画配給会社のアクセスシネマのコラボレーションイベントでアイルランド国内での日本映画祭としては今年で第四回になると思います。







毎年その年の日本で話題になった最新映画とか、近年の名作などを選りすぐって上映しており、なかなか入って来ない日本の映画が映画館でみられるという、在愛日本人、アイルランドの映画ファンにとっても、いい機会になっています。
またアイルランドの人たちには映画を通して日本文化を知ってもらうという、いいきっかけにもなっています。






今年はコークフィルムフェスティバルに日本映画祭をぶつけてきて、コラボフェスティバルとして116日コークを皮切りにスタートしています。

その後ダブリン、リムリック、今年は新たにウォーターフォード会場も経て今週末ゴールウェイにやって来ます。

3年前の2009年のはじめ、別の用事で日本大使館を訪問した際に、当時文化担当官だった山田さんとのやり取りの中で日本映画祭の話になり「芸術の街、映画ファンの多い街なのに、どうしてゴールウェイではやらないのですか?」と聞いたところ、「受け手になってくれるところがあれば是非やりたいですね。」と言われ、「それなら私やりますよ~」と日本映画祭ゴールウェイ招致に向けてがんばりました。
ゴールウェイ映画協会の全面バックアップもあって、見事その年の秋にはゴールウェイ日本映画祭開催が実現しました!







その2009年から始まったゴールウェイでの日本映画祭。
一年目は初めてのゴールウェイでの開催とあって、大々的にレセプションを行いました。
日本大使館からは前任の卜部大使、ゴールウェイからはゴールウェイ市長をはじめとし、たくさんの市会議員、他各大学の教授陣、映画関係者、日愛間のビジネスに携わっている人々、メディア関係者、そしてゴールウェイ在住の多くの日本人が参加しました。
この時のレセプションのケータリングはわかふぇにご指名をいただいたのですが、お料理に加え勝手ながらサプライズエンターテイメントもさせていただきました。
ワーキングホリデーの日本人ガールズとゴールウェイ大学のアニメサークルのメンバーによる
「ソーラン☆パラパラ」DJも引き連れての、大音響の中、浴衣姿で踊る激しいソーラン節パラパラ・・・。
卜部大使をはじめとした観客の度肝を抜きました。(冷汗)


















よしみがまたヘンな事をしているよ・・・と地元の人々には温かく見守っていただけたと思います。(笑)
映画祭とは関係なく、それまでも機会がある度に日本の文化紹介をするイベントを行ってきました。
子供たちの為の折り紙教室、短歌の会、茶道のデモンストレーション、日本ミュージシャンによる音楽の夕べ、クジラについてのフォーラム、「もったいない」についてのスピーチ、アニメ×コスプレイベント等々。。。
伝統的な日本文化だけでなく、現代のサブカルチャー的なものまで、なるべく本物で、生の日本文化を伝えるように、真面目なことから、阿呆なことまで、『真剣に』取り組んできました。

ゴールウェイでは様々な人々に助けられてここまで来ました。
そのひとりひとりに直接の恩返しはできないし、たいしたこともできないのですが、コスモポリタンとも言えるたくさんの違った国籍の人たちが住んでいる、この「外国人の街、ゴールウェイ」で私に何ができるだろう、と考えた結果が、いち日本人としてのわたしがやれること=地元の人々に日本文化を伝えることかな、ということで、機会があるごとに日本文化を知ってもらう催しを行うようになりました。

また日本文化を伝えることは、私にとっては自分を伝えることでもあって、自分自身の「表現の場」としても機能しています。





外国にいると、自分とは何か、ということを常に考え、それを伝えていく努力をしていかなければなりません。
それをしないと全然違う環境・文化で育った人たちには理解してもらえません。
では自分は一体誰なのかと考えると、日本人としてのアイデンティティがまずやってきます。
よくよく考えてみると、日本的な考え方、美徳とすること、日本的な立ち居振る舞いは私の中に深く根を下ろしていることを感じずにはいられません。
長い間異文化圏の中で暮らして、日本にいる時とはかなり違ってしまった部分ももちろんありますが他の国の人と較べて、未だにどうしても、違う、と思ってしまうこともたくさんあります。
でも、いろいろな価値観を持った人がいるからこそ、伝えていく努力は必要で、それをやめてしまったらコミュニケーションはストップしてしまいます。
違うことは違うことで悪いことではありません。
どんなに話しても、分かりあえなくても、どうしてそう思うのか、とお互いに伝える事によってそこから新しい価値観が生まれ、違うもの同士が一緒に共存していく為の社会が作られていくのでしょう。。




個性と個性が集まって社会が成り立っているんだなぁ・・・と。
最近この、自分を表現していくということがなんとも面白くなって来た所です。

イベントの催行に際して、日本文化について考えたり、調べたり、それをどうしたらそれを他の人に解り易く伝えられるのだろうかと考えることが必要になって、いい勉強になります。
また私自身、日本文化の良い点を再認識する良いきっかけになっています。
そして、やればやるほど、日本という国は他にないユニークで世界に誇れる素晴らしい文化を持った国だと思います。





文化紹介のイベントをする側としては、日本には世界の人が喜びそうなネタがいっぱいあって、尽きることがなく助かっています(笑)
それくらい、世界で認められている文化や技術や思想を日本文化の中にたくさん持っている、ということです。












そんなこんなで、いろいろヘンなイベントも含めて企画開催している私を地元の人は温かく見守ってくれていると感じます。
「あぁ~、よしみがまたヘンな事やってるよ、でも何か面白そうだね。」
と、特に押しも引きもせず、自分の興味のあるものには参加してくれたり、そうでないものには「good luck!」と応援してくれたり。
誰かが言っていましたGalway people will welcome people with open arms
だからこそ、ゴールウェイは特別な所なのかもしれません。みんな違う、その違いを楽しもう、みたいな・・・。







私は勝手に機会があればゴールウェイでの日本のプロモートに力を入れているのですが、最近、そう、ここ数年思うのは、世界的に日本の影が薄くなって来ているのではないか?ということです。

近年アメリカに留学する学生が激減しているとの事ですが、他の国に対しても同じなのでしょうか?
私の勝手な推測ですが、特に若い人たちの外国に対する好奇心や外に対する興味が薄れて来ている気がします。

(あらかじめエラそうなことを言いますよ、と断ってお話しますが・・)最近ゴールウェイに来る若い日本人を見ていると、他の国の若者に比べ、みんなどことなく自信なさげで、目立つのを嫌い、みんななんか隠れ蓑を被っているような感じがします。
なんか元気はつらつとした昔タイプの日本人を見なくなったなぁと思います。・・・単なるジェネレーションギャップなのかもしれません。
最近の若い人たちと話が合うかしら、なんて思っていましたが個々に仲良くなってよくよく話をしてみると、それぞれに面白い個性を持っていて、私からしたら、なんでそれをもっと前に出さないの~??もったいないな、と思います。。
なぜか、控えめ過ぎる日本人が増えて来ている気がします。
日本人の控えめな性質は非常に好印象で日本人の美徳でもあり、外国人からしたら何を考えているか解らなかったが、よくよく知ってみればその控えめさが好ましい、とも言われるのですが。。
でも、出るときには出ていかないと!!
国をあげての内向き傾向、引きこもり傾向、草食系志向をなんとかして、もっと外に向かって発見して行かなければ。。
世知辛い今日この頃、世界から取り残されて行ってしまうのではないかと危惧していま(した。地震の前までは・・・)





さっきの日本の影が薄れて来ているという話に戻りますが、最近アイルランドにいてひしひしと感じていたのは人々の日本に関する注目度が落ちて来ている、というか、やはり人というのは豊かなところへ自然と流れて行ってしまうのでしょうか。
アジアの国の中では経済低迷している日本の影が薄くなり、景気高騰の中国が台頭して来ています。
ゴールウェイにおける中国関係のイベントもかなり増えてきましたし、アジアに旅行するなら中国へ行きたい!という若者が増えてきました。
今までなら間違いなく「日本」だったのですが。。日本(自分)に興味を持ってもらえないのは悲しいです。
それから、ここ数年でゴールウェイマーケットで寿司を売っているときに売っているものを見て、「キンパ!」というアイルランド人にも多く出会うようにもなりました。
というのも、6-7年くらい前からでしょうか?
英語教師の仕事が飽和状態となった日本から英語教師不足の韓国へとたくさんのアイルランド人が仕事を探して韓国へ向かって行きました。
その結果、韓国で2-3年過ごして帰って来たアイルランド人、「寿司はまだ食べたことがなくてもキンパが懐かしい。」ということになっています。






そんなこんなで日本の閉塞感をゴールウェイにいながらにして感じていて、どうにもこうにもやり切れない気持ちでいたのですが・・・

今年3月の東北巨大地震の際に実は私は東京にいて、日本の底力を再確認した気分になりました。
大きな犠牲は払ったが、日本はまたやっていける!すばらしい力を内蔵している。
この経験を生かして時間はかかるかもしれないけど、日本はいつの日かまた強く美しく優しい国として再生し、また、今までには全く存在しなかった新しい形での世界の方向性を先導していける国になる素質をもったのではないかと思います。
どんどん話が脱線しそうなので、この話はまた別の機会でしたいと思います。。






で、映画祭の話に話を戻しますが、今年はゴールウェイでの映画祭が三回目ということもあり目新しさがなくなったのかちょっと縮小気味です。今まで地元紙ゴールウェイアドバタイザーにでかでかと告知が出たのが今年はちょっとになってしまいました。私の努力が足りないのもありますので、反省です。
今まで盛大にやっていたことが「減る」のはちょっと悲しいです。
こういうことって国力のバロメーターにもなるのではないでしょうか。。

なんだかんだ言って映画祭のサイドイベントの文化紹介が明日に迫って来ました!
もうがんばるしかないです!!
今年は5月に行われたチャリティイベントGalway for Japan Dayで協力いただいた方々にまたお願いして武道系、合気道、剣道、柔道の演武に続き、日本人フィドラ―によるアニメ音楽の演奏、折り紙、習字のワークショップに加え、よしみが寿司の実演をします!
そして夕方6時からはキングスヘッド前でゴールウェイ大学アニメサークルと日本人有志によるコスプレハレ晴れユカイダンス。
その後はキングスヘッド上で懇親会をする予定です。





始めこそもじもじしていたワーキングホリデーの若者ですが、「せっかくここまで来ているんだから、1年たった後は居たくても居るのが難しくなるんだからさ、悔いのないように思いっきりやんなよ。」
と言ったら素直にハレ晴れのダンス今晩も練習してくれています。素直~(笑)

さー、明日が本番です。
第三回Japanese Film Festival in Gaway!
はりきって盛り上げていきましょう~♪ ついでにそして国力もUP♪でゆきましょ~。

映画祭の詳細はこちらです。








よしみ@わかふぇ 


Photo Courtesy:YOSHIMI HAYAKAWA

(アイルランド共和国現地 11/17ゴールウェイ電)