「もういくつ寝るとクリスマス♪」
12月に入ってぐんと夜が長くなってきました。
普通の会社勤めをしている人でも退社時間の頃には外はもう真っ暗です。
クリスマスデコレーションがキラキラ輝くショップストリートを抜けてみんな足早に家路へ向かいます。
11月終わりから12月初めにかけてのこの時期は、友達同士や会社でのクリスマスパーティにはまだちょっと早く、クリスマスの為にお金をセーブするために、ほとんどの人が夜は家でまったりと過ごしています。
日が暮れたら、さあ早く家に帰って・・・。
暖炉に火を入れてキャンドルに灯をともして・・・。
ぬくぬくの暖炉のそばでmulled wine(クリスマスの風物詩でスパイスの効いたホットワイン)なんかを飲みながらクリスマスカードの準備を始める。。。
年中お祭り騒ぎをしているようなゴールウェイの街もこの頃はちょっと落ち着き、なんというかhomey atmosphereとなり「ああ、ここに私は住んでいる」と地に足を付けたような気持ちがぐんと強くなります。
ゴールウェイに来てから今年で13回目のクリスマスを迎えることになりますが、今年は今までと違ってのんびりとクリスマスシーズンを迎えようとしている人が多いような気がします。
ここ数年でクリスマスの過ごし方が多様化してきました。
外国人が増えたことや、アイルランドの不景気が影響しているのではないかなと思っています。。
ちょっと変わってきた近年のクリスマスの過ごし方が後で紹介するとして、まずはアイルランドの一般的なクリスマスシーズンの過ごし方をご紹介しましょう。
10月末のハロウィンが終わった頃から街中にクリスマスデコレーションが飾られます。
一般家庭ではちょうど今頃12月始め時期から準備が始まります。
[クリスマスツリー] マーケットやガーデンセンターで大人の背以上もある生木のもみの木を買って来て家のsitting
room(居間)に置き飾り付けを始めます。
家によってはド派手な電飾を庭先に飾り付けます。家族そろっての作業となりワクワク気分も高まります。
[クリスマスプディング(=クリスマスケーキ)] 日本のいちごの乗った生クリームのクリスマスケーキとは全然違います~♪
アイルランドのクリスマスケーキはお酒に付け込んだフルーツやナッツを使って作り数週間(家によっては数カ月も)
寝かせてから食べる、味もカロリーもリッチなケーキです。これもちょうど今頃から仕込みます。
クリスマス当日、ディナーの後にスライスしたクリスマスプディングにクリームやブランデーバターなどを添えて食します。
[クリスマスカード] 日本の年賀状のような役割を果たしています。友人、知人、普段からお世話になっている人やたまにしか会えない人にも挨拶をするのにいい機会です。一緒に住んでいる家族同士でもカードを送り合います。
届いたカードは暖炉の上に立てて飾ったり、飾りきれなくなったらロープにつるしてデコレーションしたり。。。
[12月8日] この日はクリスマスショッピングデーと呼ばれていて、伝統的にクリスマスプレゼントを買ったりする日らしいです。
なぜこの日なのかは勉強不足でよく知らないのですが・・・。
ゴールウェイの街にもコネマラ方面等の遠方からからたくさんの人がショッピングにやって来てにぎわいます。
[クリスマスパーティー] 学校でも会社でも友達同士でも12月10日過ぎからクリスマス会を始めます。
さながら日本の忘年会のようです。会社でのパーティは結構どんちゃん(笑)します。
しかしこの不景気で昔はホテルでやっていたパーティをオフィスでシンプルに開催したりしています。
[クリスマスディナー] どの家庭も基本はスープ、ターキー(&ハム)、デザートの3コース、ではないでしょうか。
メインコースのターキーはスパイス等の詰め物をしたうえでオーブンで何時間もかけて丸焼きにし、
スライスしたものに赤いクランベリーソースをかけていただきます。stuffed turkey with cramberry sauce,それにアイルランドのおいしい野菜、ポテト、人参、ブロッコリー、ターナップなどの野菜がつけ合わせとして出てきます。
ディナーの準備は朝から始め、クリスマスディナーを食べるのは昼の14時という家もあれば19時という家もあります。
飲み物はワインが主流でしょうか?年配の男性はウイスキーかもしれません。。。
[ミサ]
24日には16時19時23時と何回かあり25日も朝と昼の2回ほど。そのどれかに行けばよいみたいです。
ちなみに私はGalwegians(ゴールウェイっ子)の象徴、聖ニコラス教会で行われる24日のクリスマスキャロルに毎年参加して仏教の代表として(??)聖書を読ませてもらっています。
この教会の守護神はSt. Nicholas(セントニコラス)・・・そう、サンタクロースなんですよ♪
宗教うんぬんより街のひとがみんなで集まってクリスマスをお祝いしましょうよ、という趣旨で、All are welcome!
ミサにはユダヤ教の人も来て聖書を読みます。ミサの最後は周りにいる人全員と握手をして「Happy
Chrisitmas」と祝福し合います。
[クリスマスイブ] 17時ごろに終わるクリスマスキャロルの後、みんなぎりぎりでパブに駆け込みます。(笑)そして最後のパイントを楽しみます。
イブの夜、パブは18時で閉まります。ドアは閉まってもしばらくは中でワイワイやっているのですが、それでも20時前には「Happy Christmas!」と言い合いながら各々家路に着きます。
遠くで暮らしている人も24日中には家族の元へ戻ります。
[クリスマス当日] 各家庭、朝からディナーの準備等で忙しく過ごしているようです。子供たちは朝起きるとサンタからのプレゼントを開けて喜びます。
この日はミサ以外にはどこかへ出掛けることもなく、いちにち家族一緒に静かに過ごします。
とにかく食べて飲んで、後はしゃべったりゲームをしたりテレビをみたり。。。
ひと昔前の日本のお正月の過ごし方のような感じです。
この日はパブもスーパーもホテルでさえ閉まります。(24日の夕方には宿泊客は追い出されてしまいます)数年前まではバスや列車さえも止まっていました。
[サンタクロース] 子供たちは日本以上に真剣に信じています。各家庭に暖炉もありますから、サンタさんがちゃんと入って来られます。
大人はそんな子供の夢を壊さないよう、細心の注意を払っています。
子供はサンタさんからどんなプレゼントがもらいたいか手紙を書きます。
サンタは24日の深夜にやってきて暖炉から入って来てクリスマスツリーの下やChristmas stocking(靴下)
にプレゼントを届けてくれます。
クリスマス後に「Santie(サンタさん)から何もらったの~~??」と聞くと嬉しそうに答えてくれますよ♪
[誰と過ごすか] アイルランドではクリスマスにはほとんどの人が帰省し家族と一緒にクリスマスを過ごします。
海外にいたとしてもクリスマスにはアイルランドに戻り、家族と一緒に過ごしたい、と思っているアイリッシュが多いようです。
帰る場所のない外国人は、外国人同士集まり、店が閉まってしまう為2-3日分の食料と飲み物を買い込みパーティをしたりしてクリスマスを過ごしています。
もしあなたがアイリッシュと付き合っていて彼氏に「今度のクリスマス、家においでよ」と誘われたのなら彼はあなたとの将来を真剣に考えていると思っていいでしょう:)
アイルランドでクリスマスに招待される、ということはそういうことです。
アイルランドのクリスマスは家族で過ごす大事な日です。
[26日] St. Stephan’s Day もしくはBoxing Dayといいます。祝日なのでまだお休みです。
この日は一転して人が街へ繰り出します。親戚や友達の家を訪問しあったりもします。
パブも開きます。一日閉まっていただけなのに、みんな
待ってましたとばかりに昼間からパブに行き、ビールを飲んで大騒ぎ。(笑)
クリスマスセールの初日でもあります。
朝7時からオープンするショップもあり、お目当てをゲットするために開店前から並ぶ人も。。。
[近年の変化] アイルランドがバブル景気だった数年前までは、それこそ夏が終わった頃から「not so
long to Christmas!」
なんて言い出す人も少なくありませんでした。
もちろん冗談で言っている場合も多いのですが、その多くは、「ストレスだ」「憂鬱だ」という意味を含んでいました。
敬虔なキリスト教国であるアイルランドの人々にとっては、クリスマスは一年に一度の家族で過ごす大切な一日。
その大事な日をちゃんと迎えるためにはいろいろやることもあり、ストレスも多かったのもしれません。
つい数年前まではクリスマスの当日はどこも開いていなかったホテルが今年のクリスマスは、なんと、ほとんど営業しているするそうです。
そしてびっくりなことにそのホテルが提供しているクリスマスディナーの予約がほぼフルになっているそうです。
人気の理由は、家でクリスマスディナーの準備をする必要がなく、みんながテーブルについている間、誰かがキッチンで立ち働かなくてもよくなり、
掃除もしなくていい、ショッピングのストレスもなくなる。
また高齢者にも人気のようです。
ホテルがクリスマスディナーを提供し始めたのはわたしの記憶でゴールウェイだけで言えば、2011年からだったと思います。
値段は普段の倍にもなるのに、こんなに人気が出るとは。。。
今まではそういうサービスを受けたくても働く人がいなかったのですが、ヨーロッパ全体の不景気で、それまではクリスマスに国に帰っていたEUの外国人労働者がアイルランドにとどまるようになったり、その日はチップも弾むのでよろこんで働いてくれる人が増えたのもきっかけでしょうか。
今までクリスマスになるといろんな人からたくさんの笑い話のような失敗談のような話を聞いてきました。
せっかく買ったターキーをどこかに忘れてきた、だの、焦がしちゃった、だの。
クリスマスは楽しみだけど誰かが必ず喧嘩をはじめるんだよね、、とか。。
特別な日だからこそ、余計に力が入ってストレスになってしまっていたのでしょうか。
特にケルティックタイガーのバブルの頃はいけいけどんどん、毎晩パーティで大騒ぎ。そして伝統的なクリスマスもちゃんとやらなきゃ、と
がんばり過ぎていたのでしょうか。
ところが不景気のおかげか、グローバル化で価値観の多様化の影響か、「クリスマスがこうでなくてはならない」という価値観が変わってきたように感じます。
だから今年のクリスマスはみんなリラックスしているのでしょうか・・・(とわたしには見える)
あと数年したら、日本のお正月のようにアイリッシュもクリスマスに働いたりするようになるのでしょうか?
どうなのでしょう?
でも家族を大事にするアイリッシュにとってはクリスマスはずっと家族と共に過ごす特別な日であって欲しいなあ、と思います。
[わたしのクリスマス] わたしも今年はホテルでクリスマスディナーの予定です。
毎年クリスマスを一緒に過ごしている私の友達でありアイルランドのお母さん的存在でもあるNoraが「もう歳だしクリスマスの準備が大変だから今年はホテルディナーにしよう」と提案してきました。
ほぼ毎年ずっとクリスマスを働いて過ごしてきましたがNoraがクリスマスディナーを用意して待っていてくれました。
(実はWA CAFÉは開店以来唯一クリスマスの日に開いている店だったんです(笑)その話はまた機会があれば・・・)
初めて会った時は元気いっぱいだったNoraがだんだん歳を取っていくのを感じるのは悲しいですがNoraは昔ホテルを経営していて飲食業のことに関してはわたしの大先輩でかなりの働き者。クリスマスはずっと家族の為に働いて過ごしてきました。
もうそろそろ楽をしようか、ということで今年はトレンドにのってホテルでのクリスマスディナーを楽しんで来ようと思います。
WA CAFÉも時代に逆行して12月25日26日はお休みです。
無理をしないで徐々にリラックスしてクリスマスシーズンを迎えられるようになってきたのはありがたいことです。。。
ふと思いました。
プロデュースしてくれる人がいるからこそ、楽しいクリスマスが送れるんだな、と。
家族が一緒に過ごす一番大事な日の為にお母さんたちが裏方でがんばっているんだなぁ、と。
「愛」ですね~。
そのこころが飲食業の真髄でもありそうだなぁ、と考えさせられました。
クリスマスまであと10日をきりました。みなさんはどんなクリスマスシーズンを迎えているのでしょうか?
みなさんそれぞれに楽しいクリスマスになりますように!!
HAPPY CHRISTMAS!!
早川芳美@Wa Cafe
INJ Tokyo Xmas Party 2013
(Photo Courtesy:Shigeru Matsuzaki IrishNetworkJapan Tokyo)
☨Welcome December 2013 from all at Galway.com A Stunning photo taken of Eyre Square Christmas Market by Alexey Zarodov