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2013年4月13日土曜日

【Ireland Live Report2013 Spring】✈“ミドリの国アイルランド”から学ぶこと“”~アイルランド政府観光庁本庁訪問:ダブリン/アイルランド総集編 Dublin Ireland✈




「私たちは小さな国家です~」
アイルランドの政治家たちは演説で必ず、決まり文句のようにこのフレーズを使う。

本当に小さな国家だと思う。面積は北海道程度。さしずめ札幌がダブリン、函館がコーク、稚内がベルファストといった感じであろうか。

さらに人口も横浜市とほぼ同じ450万人である。

しかしダブリンの街を歩くと実に多種多様な“民族”が歩きその国独自の言語を使ってることに驚かされる。

リュックを背負った若年層のバックパッカーがガイドを持ちながら歩く姿が際立つダブリン。
そう、年ごろで言えば大学生くらいであろうか、実に多くの若者が安っぽい格好で好奇心いっぱい街を散策している姿が25年前の自分の姿とオーバーラップした。

でも待てよ、自分が大学生の時、たしかにユーレイルパス片手に欧州を縦断した。
イギリス、フランス、ポルトガル、スイス、ドイツ、イタリア、北欧・・・・
でも、アイルランドは一切旅していなかった。
それは一体なぜだろう?

アイルランドが今のような活力ある国家になった最大の要因はEU加盟である。
それ以前は、極めて貧しい国家であり、政治闘争も激しかった状態。

道路もろくに舗装されていない時代に自分は大学生だったのだが、結局のところ、それは何かアイルランドが貧乏くさく、見るべきとこもない、うら寂しいという勝手な概念が自分の心のどこかにあったのだと思う。

アイルランドの家には1960年代や70年代の写真が豊富に残っている。
さらに親戚の家に行けば、それこそ学術的にも貴重であろう、当時のフィルムが山ほど残っている。
しかし、それに映っている姿はケルティックダイガー以前の、そう英国に翻弄され疲れているアイルランドの姿だった。

人間もそうだが環境が変わっても、生き延びる人はその人自身の資質がモノを言う。
国家に代えて言うならば、国民性の資質がモノを言う。
ラグビーのスタイルを見れば一目瞭然、アイルランドは極めて精神的にタフな国家なのだ。

さらには古代ケルトからの高尚文明の血筋であろうか、物事を改善させていく能力がズバ抜けている。

移民をオープンマインドで受け入れ、英語圏という有利条件を最大限生かし税制優遇で多くの大企業を呼び寄せた。また学問の国らしく教育に対する情熱が素晴らしく、スキルを身につけた若者をドンドン生み出していった。

靴も買えなかったアイルランドは、ローンでメルセデスベンツを買う国力をも身につけることになるのである。

突っ走りすぎた国家はやがてベイルアウト:経済破たんという、強烈な冷や水を浴びることとなるのだが、先に述べた「精神的タフさ」が現在各方面で機能しだしてきている、というのが現状であろう。


本日アイルランド政府観光庁本庁へ行ってきた。

「日本のマーケットはローコスト&ハイパフォーマンスでいく」
アイルランド政府観光庁本庁のシェーンクラーク氏とのディスカッションで自分が強調した点だ。
アイルランドツーリズムが今何を考え何をしようとているのかを完璧に把握するのが第一の目的。

日本へのプロモーションにあたって、自分が信条としている情報のクオリティー、クオンティティー、スピード、そして何よりも大切なパッションをどう生かすかクラーク氏に熱くプレゼンしたかいあって、多方面で協力していただく確約をいただいた。
ちなみに仕事に対してドライブ感あるスピード重視のビジネススタイルは、アイルランド人をご存知ならおわかりだろう、まさに“アイリッシュタイム”の対極にあるベツモノだ。


“協力をしていただく確約”とは日本市場にオカネをばら撒くことを意味しているのではない。

アイルランドをマーケティングしていく上で、自分がやるべき課題は「アイルランドを知ってもらう、そう家でおいしそうに毎晩ビールを飲むお父ちゃんクラスにも知ってもらう」ということからはじまる。
率直にいってアイルランドが好きな人は自分で情報を選択し、自分でアイルランドに渡航する。

逆にアイルランドに関心がない人は未だに「あ、アイルランドってテロあって火山の爆発がすごいでしょ」と言う。

このギャップ、情報格差がたまらなくもどかしいのである。

このギャップを埋めるべく、そのための“ゲームプラン”はすでに実行されているのだが、適切な資料・適切なデータを観光庁から提供いただき、さらにアイルランドを取り囲む日本市場をスカウティングし、効果的なイベントをしかけたり、ブランディングをしていく、そのためにはアイルランド政府観光庁本庁から毎日でもデータは提供する、という意味での協力である。勿論、日本でも新たなアイルランド応援団は法人レベル・個人レベルで見当はつけている。

「仕事のためにアイルランドをプロモーションするのでない、だってINJってもともとボランティア団体でしょ。アイルランドが好きだからプロモーションしているのです。そう、それはオカネの問題でなくパッションの問題です。」

クラーク氏とのパートナーシップはまだファーストステップだが、エキサイティングになりそうだ。

まずは、アイルランドとどう今後付き合うのか、各個人が少しでも考えてくれるきっかけになってくれるのであれば今回のアイルランドリポートは大成功としたいのである。

我が家族が居を構えている国家。感謝の気持ちで全力で恩返しがしたい、ただそれだけなのである~

アイルランド最終日、ダブリンをただひたすら歩いた一日。
また逢いましょう、アイルランド。


(報告:TORU TAZURA,IrishNetworkJapanTokyo , 2013/4/12 24:00 Dublin Ireland Local Time)