荒涼とした大地に突如として現る巨大な廃墟要塞~
ティペラリーの大地にそびえ立つアイルランドの古城は、アイルランドそのものの象徴だ。
ロックオブキャシェル~歴代マンスター王が居城したこの要塞は「聖パトリックの岩」と呼ばれている。
5世紀なかば、アイルランドでキリスト教を布教をはじめた聖パトリックは、この巨大な岩山でマンスター王に洗礼を受けたと言われている。
1101年に権限が教会へ譲渡。
王室と宗教の権力の象徴であったが1647年、オリバークロムウェルの侵攻で想像を絶する殺戮をうけることとなる。
「アイルランドの西には人を吊るす木もなく、溺れさせる水もなく、埋める土もない」
というバレンやアラン島を侵攻したクロムウェルの、この言葉はあまりにも有名だ。
・・・・・しかし木・水・土・・・・ここキャシェルにはそのすべてが存在する。
非人間的な大殺戮が行われたこの地に、一昨年エリザベス女王がやってきた。
確実に時代のフェイズが変わったと実感する出来事だ。
それでもキャシェルは、何事もなかったかのように時を積み重ねている・・・・・
城を歩けば、教会色が極めて強いことに気付く。
しかし、それ以前にその圧倒的な存在感に出る言葉もないだろう。
現在大規模修繕中のロックオブキャシェル。
「数年かけて修理をしているがいつ終わることやら」と語る地元観光局。
このあたりが時代にかかわらず「アイリッシュタイム」驀進中といったところ。
また昨年もそうであったが、私が訪愛した日から天候が一気に良くなり、この大地を取り囲む緑も、より一層その美しさを際立てさせている。
訪愛前日までは記録的な寒さ。
ダブリン空港の3月平均気温は「アイスランド」首都レイキャビクの日中平均気温と同じ、とメディアは書き立てた。
晴れ男、アイリッシュロマネスクに浸り巨大要塞を歩く~
(Report:TORU TAZURA Irish Network Japan Tokyo 5,Apr 3:35AM :Ireland Local Time)