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2014年4月11日金曜日

✈【INJ Essay】✈寄稿『私の初めてのセントパトリックスデー・パレード』~木原浩勝~ My First St Patricks Day Parade Tokyo Written by Hirokatsu KIHARA~





こんにちは、作家の木原浩勝です。

去る3月16日の東京、生まれて初めてのセントパトリックスデー・パレードに参加しました。
実はこのパレードどころか、パレードそのものが生まれて初めての体験でしたから、もう楽しくて楽しくて……。

何より関西から上京してかれこれ30年近くになりますが、普段は車が走っている表参道をこんなにも堂々と歩けたのですから、普段知っている道や風景が全く違って見えて、気分の良いことこの上無し。

更に、道路のど真ん中に立っている街頭に誇らしくずらりと掲げられた日本とアイルランドの国旗、これがただのパレードではなくアイルランドのお祭りであり、日本とアイルランドの友情のパレードだと目にも心にも焼き付きます。





今回が22回目でありアジアで最も歴史の長いパレードだと聞きましたが、歩くだけでパレードをしている皆さんを見るだけでひしひしと、今自分は歴史と伝統の中を歩いているのだとずっと心が躍り続けていました。

私のチームはアイルランド好きに集まって頂きました。

留学の経験を持つ作家・高里椎奈(たかさと しいな)さんを筆頭に、アイルランドの国色たる緑が大好きな水草・植物アーティストの水谷竜也(通称:IMO)さん、ネイルアーティストのMINAさん、沢山の編集者のみなさん、洋画専門の声優・水落幸子(みずおち ゆきこ)さん、幽霊・妖怪コレクターで俳優の渡辺シヴヲさん、そしてアイルランドが生んだスーパースター・ストライプスのツアーにも同行する程の漫画家・二丁目のママさん。






ほぼ全員が表現を仕事としている人ばかりだったので、もう喜びもひとしお。
前後のチームがしっかりと統制のとれた隊列で行進している中を、私たちだけが団子になって歩いているんです。
しかもみんな、片手にカメラを持って……。

これではパレードに参加しているというより、邪魔しに歩いている妙な撮影集団にしか見えなかたと思いますが、全員嬉しくて楽しい心が押さえきれなかったのです。
何と言っても、パレードに参加するという名目で、パレードの見物特等席を手に入れたようなものですから。





しかし見ると聞くとは大違いという言葉がありますが、本当にセントパトリックスデー・パレードは楽隊あり、民族の踊りあり、合唱あり、着ぐるみあり、ワンちゃんの行進あり、それぞれがそれぞれの表現でこのパレードを心から楽しんでいるというのが伝わりました。
さすがはアジア一番の歴史を誇る東京のパレードなんですね。
正直言うと周りが立派すぎて恥ずかしくすら思えました。
団子になっている烏合の衆ですからね、もうこれは反省しきりです。
来年はもっともっと……いえ、無理せずもうちょっとパレードにふさわしい何か統一性のとれたことをやって、自分たちが楽しむ以上に沿道に集まっている皆様に喜んで頂けるようにしたいと思います。



























ところで私は、自分たちのチームがわかるようにと、自身の名前の入った小田原町鎮と、昨年小泉八雲(ラフカディオハーン)が縁で島根県松江市で始まった「松江怪談談義」の宣伝用ヘッドプレート(昨年の夏、琴平電鉄を走ったアイリッシュパブトレインの先頭車両に掲げられたプレートです)を手に歩いていたのですが、これがことのほか沿道を埋め尽くした外国の方にウケが良く、何となく嬉しくなったので、私は来年もこれでいきます。

世界のアイリッシュの皆さんと更なる結びつきを願って、来年もがんばりたいと思います!
















さて、今後の私の情報は、

4/11(土)「新耳袋」(佐伯かよの画)が講談社漫画文庫より発売、
4/17(木)コミック雑誌「コミック特盛 新耳袋アトモス」春号 ホーム社より発売、
4/18(金)コミック「新耳袋 第三夜 黒百足・壁を叩く音」集英社ホームコミックスより発売、
4/19(土)オールナイトトークライブ「新耳袋 96」新宿ロフトプラスワン、
4/27(日)国内・外の巨大TOYマーケット「スーパーフェスティバル 65」東京科学技術館にて、スペシャルイベントの司会を務めます、
5/10(土)大阪でのオールにてトークライブ「新耳袋 大阪編 1」Loft PulusOne West、
5月末に発売予定の書籍「九十九怪談 第七夜」(角川書店)「九十九怪談 文庫 第五夜」(角川文庫)
そして6月末発売予定の書籍「隣之怪 第六夜」(角川書店)「隣之怪 第四夜」(角川文庫)
と、まだまだこれから情報解禁を待って、続々と書籍やコミック、イベントが盛り沢山です。

小泉八雲さんと共にアイルランドよりご縁を頂戴した「松江怪談談義」も7月に予定しておりますので、怪談の夏、「新耳袋25周年」のこの夏をどうぞお楽しみに!















詳しくは、

Twitter @KiharaHirokatsu

にてお知らせしていますので、チェック下さいね!






木原浩勝 :Hirokatsu KIHARA Profile


怪異蒐集家を自称する木原浩勝は、日本を代表する怪談作家にとどまらず、イベントやトークショーの司会者、出版・映像を軸にしたマルチメディアプランナーとして日本の新しい文化を常に作り出しています。

「怖いばかりが怪談ではない」を生涯のテーマに掲げた彼の代表作は怪談「新耳袋」(中山市朗共著)。既にシリーズ130万部を突破し、発刊25周年を迎える今でも、TVシリーズ、映画、ゲーム、コミック、デジタルコンテンツ化の勢いが衰える事なく、多くのファンを魅了し続けています。
更に、「九十九怪談」「隣之怪」「禁忌楼」など、読み手にとっても斬新な切り口で怪談の著作活動を続けており、多くの出版社、クリエーターと共に、新たなる怪談の世界を世に送り続けています。

イベントプランナーとしては、真夜中に行われるにも関わらず常に満員の「新耳袋」トークライブが2014年には通算100回目を迎える他、島根県松江市での「松江怪談談義」、声優による朗読会「怪し会」など、怪談イベントの場を確固たるものにしています。

また、シリーズ300万部を突破した「空想科学読本」の出版企画実績や、その薀蓄や分野の洞察により「京都怪獣映画祭」、日本最大級規模フィギュアイベント「スーパーフェスティバル」、漫画家・楳図かずお氏の「楳図カーニバル」等、マンガ、アニメ、怪獣、特撮のジャンルにおいても今や、年間に約20本を超えるイベント司会をこなしています。

近年では、元・スタジオジブリ制作デスクとして「となりのトトロ」「魔女の宅急便」等、多くの作品を手がけた実績より、2013年アイルランド・ゴールウェイ等へ招聘され、日本のアニメ文化を伝えるべく文化講演活動も開始することになり、海外からも高い評価を頂いております。

そもそも幼少の頃から、怪談を聞き集め、怪獣やアニメを趣味に育ち、大阪芸術大学を卒業。スタジオジブリで宮崎駿監督の元でアニメ制作に携わった後退社。その後も趣味であった怪談や怪獣、アニメを仕事とし現在に至ります。

木原浩勝はいつも作品を楽しんで頂くお客様に、作品を共に作り上げて下さる関係協力者に、そして色々な話を聞かせて頂けるご縁のあった全ての皆様にいつも感謝しております。

「日本のみならず、海外にも!」を合い言葉に、怪談だけでなく、日本の新しい文化を伝えるべく、力強く新たな作品を生み出し続けます






Hirokatsu Kihara who calls himself “Kaii-shushu-ka or Mystery collector” is not just one of the most popular ghost story writers in Japan. He takes a role as a host in events and talk shows and as a multimedia planner who creates new Japanese culture.

“Just because it’s a ghost story doesn’t mean it’s scary” he says. Kihara has been dedicating his life to “Shin-mimi-bukuro” – a masterpiece of his works. The serials have been selling over 1.3 million copies and attracting many fans through TV, movies, games, comics and digital contents even after their 25th anniversary. In addition, he keeps writing books such as “Tsukumo Kwaidan”, “Tonari-no-kai “,”Kinkiro“ and shares his own new ghost story worlds with many other publishers and creators.

In 2014, he will give his 100th public talk on “Shin-mimi-bukuro” in a hall which is usually packed even during the midnight. He has consolidated his position as an event planner by producing other ghost story events such as “Matsue Kwaidan” in Shimane and “Ayakashi-kai” where professional voice actors read ghost stories before the audience.

Kihara also arranged to publish “Kuuso-kagaku-dokuhon”, serial science fiction, which sold over 3million copies. His broad knowledge and great insights have been making him a unique and indispensable host in more than 20 events a year such as “Kyoto monsters film festival”, “Super Festival (one of the Japan’s biggest figure event)” and Japan’s famous comic book creator Umezu Kazuo’s “Umezu Carnival”.

Young Kihara gained his currier as a managing editor at Studio GHIBLI and undertook world-famous Miyazaki animations such as “My neighbor Totoro“, “Kiki’s Delivery Service” etc. In late years, he was invited to Galway, Ireland because of this. He talked to the locals about Japan’s animation culture and this was highly valued from abroad.

As a child, he was always interested in ghost stories. His favorites were monsters and animations and he graduated from Osaka University of Arts. He worked under Hayao Miyazaki of Studio GHIBLI for years and started taking a new path to specialize in the fields of ghost stories and monsters in addition to animations.

Kihara is always grateful to fans and all the people who help him with his works and who tell him interesting stories. And now he believes it is time for him to introduce Japan’s new part of culture to both Japan and overseas through his future works.